【読んでみた】下町ロケット2ガウディ計画<ネタバレ・感想>


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こんにちは!スキマ時間の案内人、ふじおかです。

大人気のドラマ「下町ロケット」が放送中ですが、皆さんもみてますか!?

私も池井戸潤さん原作もドラマも大好きで、毎週欠かさずみています。

「下町ロケット」のドラマ前半部分の原作は以前に読んでいたのですが、後半のガウディ計画はつい先日発売したばかりですので、気になって原作を読んでみました。

今回は、そのレビューをしていきたいと思います。

※ネタバレになる部分もありますので、ご注意ください。

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池井戸さんの小説には珍しく、「銀行」が登場しないストーリー

作者の池井戸潤さんのほとんどの小説には「銀行マン」が登場します。

ある時は「中小企業を守る熱いヒーロー」であったり、またある時は「雨の日に傘を取り上げる死神」のような存在でもあります。

池井戸さんご本人が元三菱銀行(現:三菱東京UFJ銀行)に勤務していたこともあり、その描写は非常にリアリティがあり、人気を呼ぶ土台にもなっています。

歴史的な視聴率を叩きだしたドラマ「半沢直樹」(原作では俺バブシリーズ)も、銀行をめぐる様々な関係をモチーフにしたストーリーでしたね。

しかし、今作には「銀行マン」は出てきません。融資がどうのこうの、という話も出てきません。そういう意味では、池井戸さんとしては一歩踏み出したストーリー展開になっています。

それでは以下、あらすじと感想をどうぞ!

「社会貢献」と「リスク」のジレンマ

今作では「銀行」は出てきませんが、「お金をめぐる動き」はもちろん登場します。

「NASA帰り」を看板に掲げる椎名社長率いるサヤマ製作所に日本クラインからの「コアハート」事業を横取りされた佃製作所に舞い込んだのは、元社員の真野賢作からの依頼の人工弁事業でした。

ここで、佃製作所はジレンマに立たされます。

人工弁開発が社会貢献的な意味を持つのもよくわかる。そして儲かる可能性がある事も。

しかし、一方で医療用機器に携わる事は、絶えず訴訟のリスクが伴います。

帝国重工へのバルブシステムの供給も、サヤマ製作所に横やりを入れられ、この先どうなるのかわからない状況。

佃は悩んだ末、一端は断ります。

しかし、人工弁事業を本気で実現しようとする真野、一村教授、桜田社長の姿に心打たれ、「ガウディ計画」への参加を決意します。

(ここまでの感想)
やはり中小企業にとって、訴訟のリスクが高いというのはそれだけで参入障壁なのでしょうね。
命に直接関与する機器の部品の製造というのは、不良品が許されません。昨日まで順調でも、ひとつの不良が発覚した時点で倒産してしまう可能性があるわけです。

佃製作所は参入を決意しましたが、現実的には非常に難しいと思います。「会社は10年同じことをやっていると潰れる」という言葉があるように、積極的にリスクを取って新しいことに挑戦していかなければ会社として存続が難しくなってくる一方、可能な限り致命的なリスクを負わないのも、経営者の手腕でありますよね。

辞めていく社員、度重なる妨害工作

佃は「ガウディ計画」のリーダーを、コアハートのバルブ制作を担当していた中里淳に依頼します。

しかし、裏でサヤマ製作所から引き抜きの打診を受けていた中里は、これを断り、佃製作所を辞めていきます。

また、一村教授の方にも動きがあります。以前の上司であった貴船教授が儲かる人工弁事業を嗅ぎ付け、横取りしようとしてくるのです。

一村教授はこれを拒みますが、そこから貴船教授の妨害工作が始まります。

医療機器の承認にはPMDAという独立行政法人の審査をパスする必要がありますが、貴船教授がその権力を振りかざし、圧力をかけるのです。

PMDAの滝川専門員は佃製作所、株式会社サクラダが中小企業という事を理由に、面談でも取り付く島がありません。

投資の回収まで数年はかかるといわれている医療用機器。なかなか進まない人工弁事業に、先にサクラダが弱っていきます。

サクラダの資金をなんとかしようと、佃製作所は帝国重工の財前に新たに開発中の「シュレッダー」の共同開発を条件に出資を依頼します。
(ここまでの感想)
作中には、国内の医療機器承認期間が海外に比べ長すぎる「デバイスラグ」についての話が出てきます。本書を執筆するにあたり、池井戸さんは大阪医科大の教授にアドバイスを受けたという事で、現在の医療器具開発に関する問題点などが詳細に語られます。こういった問題はどんどん周知し、変えていかなければならないな、と感じました。

コアハート使用患者に死亡事故が発生。隠ぺいする病院側と不審に思う者たち

そんな中、サヤマ製作所の部品を使用したコアハート臨床患者に死亡事故が発生します。

病院側は当直の医師の不手際によるものとしますが、疑問を持つものが現れます。

人工弁開発に力を注ぐ佃製作所の元に現れたのは、咲間倫子というジャーナリストでした。

彼女はコアハートに関するデータを、佃達に託します。佃はそれが、「偽装したデータ」だという事に気づきます。

迫りくる資金難。有利に見えたバルブシステムも…

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場面は変わり、サヤマ製作所とのコンペになったロケットエンジンバルブの燃焼試験が始まります。部品製作期間の短縮という妨害にも負けず、佃製作所のバルブは燃焼試験を成功に納めます。

会議の場で財前は佃製作所への出資を議題に出しますが、椎名社長に肩入れする石坂部長にこれを阻まれます。

非協力的なPMDAに対抗するため、一村教授も最後の手段として貴船教授との和解へ動きますが、貴船教授はこれを一蹴します。

迎えたサヤマ製作所の燃焼試験。結果は佃製作所のバルブよりも悪いものでした。しかし、石坂の「バルブの共同開発が優先」という主張で
採用はサヤマ製作所のバルブとなります。

まさに万事休す!

しかしその時、バルブの採用に祝杯を挙げる椎名社長に一本の電話が入ります。

(ここまでの感想)
バルブの採用に関しては、石坂部長の発言も正直、一理あるかなと感じました。いくら佃のバルブが性能が良くても「部品供給」であり、僅差であれば「共同開発」に持っていける帝国重工の判断としては、自然だと思います。

この辺りが池井戸さんの手腕ですね。一方的に帝国重工を悪者にするのではなく、あくまで大企業の判断として自然な形に持っていくのです。

どんでん返し!サヤマ製作所転落へ

ついにサヤマ製作所のデータ偽装が週刊誌でスクープされます。

見本誌を見て記事を差し止めようとする椎名社長ですが、週刊誌の編集長はこれを突っぱねます。

そこからサヤマ製作所は、転落の一途を辿ります。

帝国重工もこれを受け、バルブを佃製作所に再依頼します。

人工弁開発に向けて迎えたPMDAの2回目の面談ですが、またしても滝川が阻んできます。しかし、ここで人工弁の開発リーダーの立花が熱弁!これに動かされた山野辺審査役が滝川を抑えて話を進め、人工弁事業は前進します。

椎名社長が警察に任意同行され、共倒れを避けようと日本クラインは佃の元に現れます。前作でも佃製作所を救った神谷弁護士が同席する中、日本クラインはコアハートのバルブを佃に依頼しようとしますが…ここで痛快などんでん返しが待っています!

三年後、ガウディ計画最後の臨床試験が行われます。手術は成功し、ガウディの認可も無事おります。

桜田社長は娘の遺影にガウディの成功を報告し、技術者たちの戦いに幕が下ります。

(ここまでの感想)
池井戸さんの小説の醍醐味である、「倍返し」がさく裂します。個人的には週刊ポルトの編集長がグッジョブでした(“´∀`)bグッ!
後は神谷弁護士ですね。ホント、この人大好きです。前作に続き、痛快な思いをした方も多いのではないでしょうか。

徹底的に追い込まれて、最後に逆転!といういつも通りの流れですが、まったく飽きがきません。

やっぱり池井戸さんの小説は面白い!

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